ストックホルム王宮

Tukholman kuninkaanlinna. Valokuvat: Norberg Design AB/ Dick Norberg.

古い王宮


「3つの王冠」とも呼ばれていたストックホルムの最初の王宮は、1100年代の終わりまたは1200年代の始めに建てられた主塔を中心に何百年もの間、序々に増築されました。例えば、スウェーデンを国として統一したグスタフ・バーサ王は、古城の防衛を大幅に強化しましたが、建築工芸の美術により関心のあった彼の息子ヨハン3世は、この中世の建築物に豊かなルネッサンスの「装飾」を施しました。1600年代には強国時代の増大する行政に場所を確保するため古城はさらに増築されました。
Museo Tre Kronor. Valokuvat: The Royal Court/Alexis Daflos.

新しい城の建築


現在の王宮は、北の翼棟の総合的な改築として建築が始められました。国王カール11世がこの任務を与えたのは、スウェーデンの独裁王家に相応しい偉大な居城を造ることに力を注いだ建築家初代ニコデムス・テッシンでした。
新しい翼棟が建設されたのは、1692〜95年で、最上階にある現在のバンケットホールの内装が同時に始められました。1697年5月7日に起こった火災は大惨事となり、古い王宮は殆ど全焼し、唯一改装された北の翼棟のみが火を免れました。すでに同年6月21日には、この北の翼棟を出発点とした全く新しい王宮建築のためのテッシンの提案に基づいた最初の建築計画図面が決定されています。
Don Quijote-sali, Juhlahuoneistoa. Valokuvat: The Royal Court/Håkan Lind.

困難な時代


テッシンは、さらに王宮の再建の監督、そしてただちに再建を始めることを命じられました。 始めは熱心だった建築活動も、カール12世の戦争活動が全ての経済的資金を飲み込んでしまうため、間もなく資金不足でブレーキがかかり、1710年頃には建設作業は全く停止してしまいました。しかしテッシンは、1728年の死の直前に偉大な建築が再び始められたことを見る事ができました。これは聖職者・貴族・市民・農民による議会で「王宮建築補助」と呼ばれる特別な税金の徴収を決定したことによって可能となりました。
Pilarisali, Bernadotte-huoneisto. Valokuvat: The Royal Court/Alexis Daflos.

建築作業の再開


ニコデムス・テッシンの王宮建築での芸術家また管理責任者としての任務は、息子のカール・グスタフに受け継がれましたが、実際の仕事を監督したのは、最初の建築計画に密接に携わっていた建築家カール・ホーレマンでした。特に居住用アパートメントと呼ばれる一連の部屋の内装は、当時流行のスタイル、ロココ調の影響を受けています。
国王アドルフ・フレドリックとロヴィサ・ウルリカ夫妻がようやくリッダーホルメンの仮の住居から王宮の2つの大きなアパートメントの階下、現在のベルナドッテアパートメントと呼ばれる部屋へ移ることができたのは1754年のことでした。息子達、グスタフ(後に3世)、カール(後13世として即位)、フレドリック・アドルフは、後日独自の居住アパートメントを東と西の翼棟に与えられました。
Kaarle XI:n galleria. Valokuvat:: The Royal Court/Alexis Daflos.

近代的な公式行事


ストックホルム王宮は、訪問者にスウェーデンの芸術や芸術史と親しむ数多くの様々な可能性を提供しています。
博物館「トレークローノル」(3つの王冠) は、北の翼棟の地下にあり中世および建物のより古い時代の歴史に出会うことができます。典型的な華麗さを求めた強国時代は、建物の正面と階段、またバンケットホールの幾つかの代表的な部屋に影響を残しています。王宮の他の内装には、ロココ時代の柔軟な優雅さと豊な色彩、またグスタフ王朝の古代ギリシャ・ローマへの傾倒が目立ちますが、1800年代の歴史的スタイルの良い例が保存されています。
王宮は、今日でも国王陛下の公邸として、王室の公式行事の大事な役割を担っています。公式な訪問、謁見、レセプションや晩餐会には、年間殆どの時期に一般公開されている大きなアパートメントが利用されます。
Aarrekammio, Eerik XIV:s regaalit. Valokuvat: The Royal Court/Alexis Daflos.

オープンな王宮


王宮の南と東の翼棟地下にある王室宝庫と王室兵器室では、スウェーデン王家の興味深い歴史を見る事ができます。宝庫は王冠など王位の表章および主要な記章、式服などが納められています。兵器室には、グスタフ・バーサ王からベルナドッテ王朝までスウェーデン国王達の政治的また国の代表としての描写を記録する極めて豊富な展示物があり、国際的な比較でも宝庫、また兵器室ともにそのコレクションと展示方法で主要博物館に数えられています。
Roomalaisia rintakuvia, Kustaa III:n antiikkimuseo. Valokuvat: The Royal Court/Alexis Daflos.
王宮の北東の翼棟にはさらに重要な見所があります。1732年に創立され、2年後にオープンされたヨーロッパ最古の公共博物館であるグスタフ3世の古美術博物館です。公式な機能をもつ王宮として、またできる限り一般公開される文化史の記念碑として、ストックホルム王宮はヨーロッパの王宮の中でも特別な地位を持っています。